飛騨の昔話
山の国である飛騨にはたくさんの昔話があります。じっさま ばっさまから子どもへ語り継がれ 人物の名前は出てきても 時代や場所ははっきりしていない。しかし その中に庶民の暮らしや願いが込められています。下呂と金山の間に「瀬戸」といいう地名があり そこに「孝子が池」という 清い水が湧く池があります。
「瀬戸の孝子が池」のお話です。
手作り紙芝居を見せながら スタッフ二人で登場人物と役割を決めて読んでいきました。
おっかあと息子の左近は幸せに暮らしておりましたが おっかあは治らぬ病気で寝込んでしまいます。おっかあは
「昔 飲んだことがある琵琶湖の水がうまかった。もういっぺん飲みたい。」と言います。左近は遠い琵琶湖まで 幾つもの山を越え琵琶湖の水を汲んで戻ってくる途中 おっかあが死んだことを知ります。左近は「おっかあ!」と叫ぶと 琵琶湖の水を入れてきた竹ガメを落とします。竹ガメからは水が流れ その先の道下からは水が湧き始めました。
今でも益田川沿いの 切り立ったがけと 道との間のくぼみに 水晶のように澄んだ水をたたえた池があります。
いつの間のかこの池は「孝子が池」とよばれるようになりました。
暖かくなったら みんなで「孝子が池」の水を飲みに行こうね。そして私たちも親を大切にしようね。 熊崎
- 2016/01/29
- 虹の郷